内科を受診する方の10人に1人は、うつ病であるといわれています。 疫学調査でも、おおむねのところ、一般人口の5人に1人は一生のうち一度はうつ病になり、25人に1人は現在うつ病である、といった調査結果が出ています。
このことからうつ病は、かなりありふれた病気だといえます。
また最近は“ストレス社会”といった状況で、そこからうつ病(あるいはうつ状態)になる方も増えてきて、身近な人の中にもしばしばうつになった、という方をみかけるようになりました。
さらに、うつ病の中でも軽症のタイプが増えてきています。適切な治療をすればきちんと治り、社会生活への復帰も比較的早期に可能です。
“心の風邪” うつ
以上のようなことから、うつ病はしばしば“心の風邪”と、たとえられています。
これは、実際に軽くて、だれでもかかりやすい、ということでそうなのですが、もうひとつは、うつ病に対する誤解や偏見をなくしてほしい、という意味あいもあるのです。
“心の風邪”と考えることで、早めに、気軽に、精神科(抵抗があれば心療内科)を受診し、早く治しましょう、ということなのです。
実際にうつ病も治療が遅れて、こじらせると、治りが悪くなり、重症の状態になるのも風邪と同様です。「風邪は万病のもと」といいますが、これは、風邪をこじらせることで新たな重い病気になりやすいことと、一見風邪のようにみえるが実は風邪ではなくもっと別の病気だった、ということの、2つの意味があります。
うつ病の場合も同様で、一見うつ状態とみえても、それがうつ病なのか、また別の病気(精神病など)なのかは、専門医の診断が必要であり、それによって治療の内容も違ってきます。
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