パニック障害は、突然に症状が起きて、その症状のために本人は、慌てふためき恐がり、いわゆる恐慌(=パニック)状態になる病気です。
パニック障害の症状
動悸、胸痛ないし胸部圧迫感、窒息感、めまい、浮動感、視覚感の喪失(自分だけまわりから浮いて離れているような感じ)、脱力感といったものが突然、起こってきます。
これらの症状は通常数分間で自然におさまり、だらだらと続くものではないので「パニック発作」と呼ばれます。
初めてパニック発作を経験したときは、苦しさのあまり死ぬのではないかという恐怖におそわれるために、救急車で病院にかけつける方も多いようです。
その場合も、病院に着いた頃には、発作はおさまっていて、診察や検査(心電図など)を受けても何ともないといわれます。注射か点滴を受けて帰されることがほとんどです。
しかし、いったんおさまった発作がいずれまた起こります。くり返し起こることで、今度は「また起こったらどうしよう」と不安になり(これを予期不安といいます)、だんだん外に出たり、人の集まる所へ行くのを避けるようになってきます(外出恐怖・広場恐怖)。
このようにパニック障害は、パニック発作と予期不安から成る病気ですが、これは心の強い弱いとは、関係ありません。
傾向としては、比較的活動的で、テキパキと仕事をこなし、性格もハッキリとしたタイプの積極的な方のほうがパニック障害になりやすいようです。また、心の悩みとか、性格とかいったものも、パニック障害になりやすいかという事にあまり関係がなく、なぜかわからないが突然そうなってしまう、といった病気なのです。
パニック障害の治療
この病気は、脳内の神経伝達物質の部分的な異常によって起こる、と考えられていて、治療も薬物療法が有効です。SSRIという新しいタイプの抗うつ薬や抗不安薬の服用でパニック発作はほとんどコントロールできます。
発作は、治療によって比較的早くコントロールできるようになりますが、薬をすぐに中断すると、再発してしまいます。また、予期不安の方はなかなかなくならないので、いずれにしても治療は一定期間(1~2年)は必要です。
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