統合失調症とは
- 長精診
- 2020年1月15日
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統合失調症になると、現実の状況をきちんと把握し、状況に応じて適切に判断して行動する。ということが難しくなります。原因は脳の機能障害にあり、適切な治療を行うことで多くの方は自立した社会生活を送ることができます。思春期から40歳までに発病することが多く、およそ100人に1人がかかるといわれています。現在、全国で約60万人の方が治療を受けています。
●統合失調症の症状
症状は大きく、陽性症状と陰性症状の2つにわけることができます。
①陽性症状
陽性症状は、幻覚(実際にないものが見えたり聞こえたりする)・妄想(まわりの人が自分の悪口をいっている、隣の家の人が自分にいやがらせする)といった、本来あるはずのないものが現れる症状です。統合失調症を特徴づける代表的な症状といえます。
他にも思考障害(まとまりのない会話や行動)、感情の不安定さ(強い焦燥感、興奮、攻撃性、衝動的な行動)が現れます。
②陰性症状
陰性症状は、感情の平板化(喜怒哀楽の表現が乏しくなる、他者の感情表現に共感することが少なくなる)や意欲の減退、思考能力の低下(会話量が減る、抽象的な言い回しが理解できない)、自閉(他者とコミュニケーションをとらなくなる)などの症状です。
多くは陽性症状に遅れて現れます。
統合失調症は病気の経過により、前兆期(なんとなく変だと感じる、眠れない、イライラする)・急性期(幻覚・妄想などの不思議な体験をする)・休息期(過度の眠気、倦怠感、ひきこもり、意欲低下)・回復期(少しずつ元気が出てきて心も体も安定してくる)にわけられます。
時期によっては症状が変化する傾向があり、多くの場合、陽性症状から始まり、陰性症状を経て平常状態にゆっくりと回復していきます。
●統合失調症の治療
統合失調症はいったん治っても(これを寛解といいます)再発をくり返しやすく、再発をくり返すほど治りも悪くなりますから、再発をしないように、長期間治療(予防的治療)を続けていく必要があります。
統合失調症の治療は薬物療法が基本ではありますが、薬物療法だけではなく、本人や家族への心理教育を併せて行うことで、再発を繰り返さなくなります。治療法の組み合わせによる1年後の再発率を調べた研究によると、薬物療法を行って症状を抑えるとともに、病気によって障害された社会生活技能の回復を図る訓練(SSTなど)や、本人を支える家族のケア能力を高める訓練を行うことで、より高い治療効果が期待でき、再発予防にも有効であるようです。
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